「兄上」
日本の声は焦がれるようにかすれていた。蝋燭の炎が揺れる。蝋燭のわずかな明かりに照らされた彼の国の肌は、この暗い中でもわかるほど血が抜けて白い。
日本は上着を肩にかけただけの細い体を後ろから抱きしめてもう一度、兄上、と耳元で囁いた。包帯だらけの体がかすかに動く。それに満足したように日本は抱きしめる腕を強くする。
「貴方は私が守ります」
上着の合わせから覗いた、やはり白い腿を撫であげると、かつて一帯の国々の頂点に立っていた彼は口の端から力無い声を漏らし、恥じるように唇を噛む。
「貴方だけじゃない。貴方の下に共に集った兄弟たちも」
私が守ります。だから安心してくださいね。日本は黒髪を掻き分けた下にある白いうなじに口づけると、上着を細い肩から落とした。あらわになった背はやはり包帯で覆われていた。日本はその背にもそっと口づけた。
「……っ…………」
やせ細りさらに女性的になった端正な顔が歪む。
「あぁ、傷に障りましたか」
日本は何でもないことのように言って、また彼を抱きしめる。
「列強の者共になぞ渡しはしない」
低く囁いて、日本は微笑した。我がいとしの兄上。


















奢れる者は久しからず


















「…………なら、何故お前は我を傷付ける……?」
つう、と白い頬を一筋、涙がこぼれ落ちた。





































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日/清/戦/争的な何か。にっ様をヤンデレにしちゃったよ。
地域研究の授業中に授業聞いて滾って1時間で書いた。
私は授業をなんだと思っているんだろう。(A.ネタの仕入れ先)
このときまだにーには「中/国」じゃないので呼称に困った結果がこれ↑
にっ様の兄上呼びはすごく滾るんだが。絶賛布教中。



2009/6/21